はじめに
プログラミング学習を始めた頃、時間の確保が最大の悩みでした。
子どもが2人いて、公務員として働きながら、家事も分担している状況で、独身の頃のような自由な時間はほぼありません。SNSを見ると「毎日5時間」「週末は10時間」という投稿が目につきます。それを見るたびに「自分には無理かもしれない」という焦りが生まれていました。
でも結果として、子育てをしながらでも学習を続けることができました。この記事では、当時実際にやったことを正直に書きます。特別な才能の話でも根性論でもなく、「続けるための仕組みの話」です。
まず「毎日長時間勉強」を諦めた
最初にやったことは、理想を手放すことでした。
学習を始めた頃は「毎日3時間は勉強しなければ追いつけない」という気持ちがありました。でも現実は、3時間確保できる日の方が少なかったです。
子どもが熱を出す日があります。保育園の送迎と家事と仕事が重なってへとへとになる日があります。寝かしつけで一緒に寝落ちしてしまう日があります。そういう日に「3時間の目標が達成できなかった」という敗北感を積み重ねていくと、学習自体を辞めてしまいたくなります。
「毎日長時間やること」を諦めてから、逆に続けられるようになりました。
「毎日ゼロにしない」を唯一のルールにした
長時間を諦める代わりに決めたのは、「毎日ゼロにしない」という一つのルールでした。
30分でもいい。15分でもいい。コードを見る、教材を開く——それだけでもいい。「学習をゼロの日にしない」だけを守ることに集中しました。
これには理由があります。一度ゼロの日を作ると、次もゼロになりやすいからです。習慣には「連続性」があって、途切れてしまうと再開するのにエネルギーが必要になります。逆に、どんなに短くても毎日触っていると、学習の感覚が途切れません。
「少しでも触っているから、明日も続けられる」という感覚は、継続の大きな支えになりました。
朝の時間を使うようにした
夜は予測できない時間です。
子どもがなかなか寝ないこともあります。寝かしつけていたら自分も寝てしまうことも、しょっちゅうありました。仕事の疲れで何もできない夜もあります。
「夜に勉強しよう」と思っていると、その日の状況次第で「今日はもう無理」という結果になりやすかったです。
そこで、少し早起きして朝に勉強する習慣に切り替えました。子どもが起きる前の30分から1時間は、完全に自分のための時間です。誰かに邪魔されることがなく、集中できる確率がかなり高い時間帯でした。
朝の習慣ができてから、「今日も少し進められた」という感覚を毎朝持てるようになりました。その感覚が、1日全体のモチベーションにも良い影響を与えてくれました。
隙間時間を積み上げた
まとまった時間が取れないなら、細切れの時間を積み上げるしかないと考えました。
通勤中に技術系のブログを読む。昼休みに昨日詰まった部分を調べる。子どもが昼寝している間に30分だけコードを書く——こういった積み上げが、案外大きな総量になります。
「勉強は机に座って集中する時間でなければいけない」という思い込みを外すと、1日の中で使える時間が増えました。もちろん集中できる時間の質は違いますが、「コードを眺める」「概念を頭の中で整理する」くらいのことは隙間でもできます。
スマホの使い方を見直した
意外と効果的だったのが、スマホ時間の見直しでした。
スマホの画面時間を確認したとき、SNSやYouTubeに毎日1〜2時間を使っていることに気づきました。その時間を少し削るだけで、学習時間が自然と増えます。
「時間がない」と思っていたのは、正確には「まとまった時間がない」という話でした。細切れでよければ、探せばある。その気づきは大きかったです。
家族との関係が大切だった
子育てをしながら学習を続けるには、家族の理解と協力が不可欠でした。
「プログラミングを学習してエンジニアになりたい」という自分の目標を、家族にちゃんと伝えることから始めました。目標の意味と、なぜそれが大切なのかを話しました。
週末の数時間を学習に使いたいとき、ポートフォリオ制作で集中したい時期があるとき——こういった場面での理解があったことには、本当に助けられました。
一人だけが時間を確保するためには、他の家族が何かを引き受けてくれる必要があります。それを当たり前として使うのではなく、感謝と、自分も家事や育児に向き合うという姿勢で関わることで、長く続けられる環境が維持できました。
他人との比較を手放した
学習を続ける中で、SNSの投稿と自分の状況を比べて落ち込むことがありました。
「この人は毎日5時間勉強している」「3ヶ月で案件獲得した」——そういう投稿を見るたびに、「自分は遅すぎる」という気持ちが生まれていました。
ある時点から、比較の基準を「他人」から「昨日の自分」に切り替えました。
昨日より少し前に進んでいればいい。昨日理解できなかったことが今日分かるようになっていればいい——その基準に変えてから、焦りが大幅に減りました。
同じ24時間でも、家族構成・仕事・体力・状況は人によって全く違います。他人のペースを自分の基準にすることに意味はないと気づいてから、自分のペースで進める気持ちが出てきました。
学習量より継続の方が大切だった
結果として感じているのは、1日の学習量よりも継続の方が重要だということです。
毎日5時間勉強する人と自分では、1日単位では比べものになりません。でも1年間、毎日少しでも触り続けるのと、週に数回まとめてやるのとでは、積み上がり方が違います。
実際に、短い時間でも毎日続けることで、Laravelを学び、複数のポートフォリオ作品を完成させ、案件獲得を目指せる段階まで来ることができました。「毎日続ける」という事実自体が、自分への信頼感を育てていってくれました。
具体的な1日のスケジュール例
参考までに、学習を続けていた頃の平日のスケジュールを書きます。
- 5:30 起床・学習開始(約1時間)
- 7:00 子どもの朝支度・保育園の送り出し
- 8:30 出勤(公務員として勤務)
- 17:30 退勤
- 18:30 夕食・子どもの入浴・寝かしつけ
- 21:00 自由時間(疲れていれば休む。できれば30分だけ復習)
- 22:30 就寝
「毎日5時間」という数字は、このスケジュールでは物理的に不可能でした。でも朝の1時間 + 可能なら夜の30分を毎日続けることで、週に7〜10時間の学習時間が積み上がりました。
「量を確保できない状況でも、継続の形を作ることはできる」というのが、このスケジュールで体感したことです。
子育て中の学習で「やめなかった理由」
正直なところ、途中で何度も「もうやめようか」と思いました。
学習が進まない日が続くと、「自分には無理なのかも」という気持ちになります。子どもが体調を崩した週は丸々学習できないこともありました。スクールの仲間が自分より先に進んでいると感じると、焦りと劣等感が重なります。
それでも続けた理由は、「公務員を辞めてまで始めたことを途中でやめたくない」という気持ちでした。理性的な理由ではなく、感情的な意地のようなものです。でもそれで十分でした。続ける理由は崇高なものでなくていい、「やめたくない」だけでも十分に機能すると気づきました。
まとめ
子育てをしながらプログラミングを学ぶことは簡単ではありませんでした。時間がなく、思い通りに進まない日も多くありました。
やってきたことをまとめると、以下のとおりです。
- 毎日長時間の勉強を諦めた
- 「毎日ゼロにしない」だけを守った
- 朝の時間を活用した
- 隙間時間を積み上げた
- スマホの使い方を見直した
- 家族の理解と協力を大切にした
- 他人との比較を手放した
- 「やめたくない」という気持ちを原動力にした
どれも特別なことではありません。ただ、「続けるための仕組みを作る」という発想が、子育て中の学習には特に重要だと感じています。
忙しくて学習時間が取れないと悩んでいるなら、量より継続を優先してみてください。どんなに短くても、毎日続けることが積み重なっていきます。1年後の自分が「あのとき続けていて良かった」と思えるかどうか——その問いで判断することをおすすめします。
子育て中の学習で使ったツールと方法
参考として、実際に使っていたツールと学習方法を具体的に書いておきます。
Progate:基礎の入りとして使いました。ゲーム感覚で進められるので、疲れた夜でも10分だけ進めるということができました。
Udemy:動画で学べるため、朝の学習時間に音声だけで聞き流すことも可能でした。ただし、ただ見るだけでは身につかないため、必ずコードを手元で実際に打ちながら進めていました。
Laravel公式ドキュメント:慣れてくると、公式ドキュメントが一番信頼できる情報源になります。最初は英語に抵抗がありましたが、ブラウザの翻訳機能を使いながら読む習慣をつけました。
Notion:学んだことのメモ、詰まった点と解決方法の記録をNotionで管理していました。同じエラーで2度悩まないためのナレッジベースとして活用していました。
タイマー:ポモドーロテクニック(25分集中・5分休憩)を試してみた時期がありました。子どもが昼寝している間などの短い時間に集中するには効果的でした。
ツールよりも大切なのは「習慣」です。どのツールを使うかより、毎日触れる状態を維持することの方が、長期的な学習では重要でした。
子育て中にプログラミングを学ぶ人へ
最後に、同じ状況——子育てをしながらキャリア転換を目指している人へ伝えたいことがあります。
「子どもがいるから無理だ」という発想は、少し違うと思っています。子どもがいると時間が取れないのは事実ですが、「工夫の余地がない」わけではありません。隙間を見つける力、家族と協力する力、限られた時間で集中する力——子育てで鍛えられたこれらの力は、フリーランスとして働く上でも活きています。
むしろ「子どもに格好いい背中を見せたい」という気持ちが、諦めそうになる夜に続ける理由になりました。論理よりも感情の方が、長期的なモチベーション維持には機能することがあります。
時間がないのは事実です。その中でどう工夫するかを考え続けることが、子育て中の学習の本質だと感じています。「続けている」という事実そのものが、最大の武器です。
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