実測:Docker 5コンテナ起動しても、メモリ約1.1GB
まず数字を出します。普段の開発環境をひととおり立ち上げた状態で docker stats を取った結果です。
| コンテナ | メモリ使用量 | CPU |
|---|---|---|
| Laravel(アプリ本体) | 146.9 MiB | 0.13% |
| フロントエンド | 373 MiB | 0.00% |
| MySQL | 494.5 MiB | 0.48% |
| Mailpit(メール検証) | 30.4 MiB | 0.00% |
| phpMyAdmin(DB管理) | 62.66 MiB | 0.01% |
| 合計 | 約1.08 GB | 1%未満 |
ここで見てほしいのは、これが「動作確認用の最小構成」ではないことです。アプリ本体、フロントエンド、データベース、メール検証ツール、DB管理画面——実務でそのまま使える一式を同時に起動しています。それで合計約1.08GB。Dockerに割り当てた3.828GiBに対して、使用率は約28%です。CPUに至っては全コンテナ合わせて1%未満でした。
8GBという総容量に対して、Laravel開発環境が占める割合は、思っているよりずっと小さい。これが実際の数字です。
僕の開発環境
参考までに、普段の構成です。
- MacBook Air(M1・2020モデル、8コアCPU、メモリ8GB/中古で約9万円で購入)
- Docker Desktop
- Laravel
- VS Code
- Claude Code
- Google Chrome
- Git / GitHub
この構成で、フリーランスとして毎日仕事をしています。特別に軽量化した環境ではなく、ごく標準的な組み合わせです。
「できるか」と「快適か」は別の話
正直に書くと、重さを感じる場面がゼロではありません。
Docker を起動した状態で VS Code・Chrome・Claude Code を全部立ち上げ、さらに Chrome のタブを大量に開いていると、アプリの切り替えでもたつくことはあります。
ただし、これは「仕事が止まる」レベルではなく「少し待つ」レベルです。「8GBだからできない」という壁にぶつかったことは、一度もありません。
「8GBは厳しい」という表現より、「8GBでも十分動く。ただし快適さを追求するなら16GBの方がいい」——これが正確だと思っています。「厳しい」と「快適じゃない場面もある」は、まったく別の話です。
なぜ「8GBは厳しい」という声が多いのか
理由は2つあると考えています。
ひとつは、発信する人の偏りです。スペックにこだわる人ほど調べて発信します。逆に「8GBで普通に使えてます」という人は、わざわざ記事を書きません。だから、ネット上の意見は自然と「厳しい」側に寄ります。
もうひとつは、用途による差です。大規模システムの開発や、重いアプリを大量に同時起動する使い方なら、確かにメモリは足りません。でもLaravelで中小規模のWebアプリを作るなら、上の実測値のとおりです。
そして何より、学習を始めたばかりの段階で「8GBでは限界がある作業」に出くわす機会は、ほとんどありません。学習、ポートフォリオ制作、初期の案件——このあたりは8GBで十分に対応できます。
本当のボトルネックは、メモリよりストレージかもしれない
ここまでメモリの話をしてきましたが、8GB機を使ううえで、実はもっと注意すべきものがあります。ストレージの空き容量です。
理由は仕組みにあります。macOSはメモリが足りなくなると、その分をSSDに退避(スワップ)させて処理を続けます。つまり空き容量が枯渇していると、スワップの余地がなくなり、メモリ8GB以前の問題としてシステム全体が重くなる。8GB機ほど、ストレージに余裕を残しておくことが効いてくるわけです。
そして厄介なのが、Dockerを使っているとストレージが静かに埋まっていくことです。僕の環境で docker system df を実行した結果がこちらです。
| 種類 | 使用量 | 削除可能 |
|---|---|---|
| イメージ(27個) | 33.24 GB | 14.78 GB |
| コンテナ(19個) | 2.07 GB | 1.78 GB |
| ボリューム(7個) | 1.34 GB | 415 MB |
| ビルドキャッシュ(189個) | 1.65 GB | 1.65 GB |
| 合計 | 約38.3 GB | 約18.6 GB |
Dockerだけで約38GB。しかもその半分近い約18.6GBが不要なデータでした。ビルドキャッシュに至っては189個すべてが不要です。
僕のMacは256GBモデルで、この時点の空きは約32GB。全体の13%程度まで減っていました。でも上の表のとおり、整理すれば空きは50GB前後まで戻る計算になります。ほぼ1.5倍です。
対処は簡単で、定期的に不要なリソースを削除するだけです。
# 現状を確認する
docker system df
# 停止中のコンテナ・未使用ネットワーク・不要イメージを削除
docker system prune
# 未使用イメージとビルドキャッシュもまとめて削除(より大きく空く)
docker system prune -a
-a をつけると使っていないイメージも消えるので、次回のビルドには時間がかかります。ただ、空き容量が逼迫しているなら効果は大きいです。
つまり「8GBだと足りないのでは」と悩む前に、まずストレージを掃除してみてください。体感の重さの原因が、メモリではなく容量不足だった、というケースは十分にあり得ます。
「スペックを整えてから始める」は、たぶん損
スクールに入って最初に感じたのは、スペックより手を動かす回数の方が、成長にはるかに効くということでした。
8GBか16GBかより、毎日コードを書いているかどうか。その差の方が圧倒的に大きい。「もう少しいいMacを買ってから始めよう」と考えている間に過ぎていく時間の方が、よほどもったいないです。
僕自身、8GBで学習して、8GBでポートフォリオを作って、8GBで初案件を取りました。今もこの環境で仕事が回っています。しかも購入したのは中古で約9万円のMacです(学習にかかった費用の全内訳は別記事にまとめました)。「スペックが足りなくて困った」という経験は、一度もありません。
これから買う人へ
すでに8GBのMacを持っているなら、そのまま始めてください。それで十分です。
これから購入する人で予算に余裕があるなら、16GBを選べば快適に使えます。でも「8GBしか買えない」という状況でも、まったく問題ありません。Laravel開発は8GBでできます。
始めるかどうかの判断を、スペックに委ねる必要はないと思っています。
まとめ
MacBook Air M1(メモリ8GB)で、Laravel開発は普通にできます。
実測では、Laravel・フロントエンド・MySQL・Mailpit・phpMyAdmin の5コンテナを同時起動して、メモリ約1.08GB、CPU1%未満。実務レベルの環境一式でこの数字です。
重さを感じる場面がないとは言いませんが、それは「快適さの話」であって「できるかどうかの話」ではありません。
そして、もし今の環境が重いと感じているなら、メモリを疑う前にストレージの空きを確認してみてください。僕の場合、Dockerの不要データだけで約18.6GBが眠っていました。
スペックを気にして踏み出せないでいるなら、今ある環境で始めてみてください。経験を積むことの方が、メモリを増やすことよりずっと大切です。