はじめに
「市役所職員って年収は高いの?」「福利厚生は本当に充実しているの?」——公務員を目指していた頃、自分も気になっていた質問です。
ネットでは「公務員は勝ち組」という意見もあれば、「給料が安い」という意見もあります。実際のところはどうなのか。
今回は、市役所職員として9年間働いた経験をもとに、年収や福利厚生について感じたことを正直に書きます。
※給与は自治体や年齢、役職によって異なります。この記事では、あくまで自分が働いて感じた印象を中心にお伝えします。
この記事でわかること
- 市役所職員の年収のリアルな印象
- ボーナスの実態
- 実際に働いて感じた福利厚生の充実度
- 「安定」という価値は数字以上に大きいという話
- フリーランスになって初めてわかったこと
市役所職員の年収は「飛び抜けて高い」わけではない
まず結論から言うと、市役所職員の年収は「飛び抜けて高い」という印象はありません。
若いうちは民間企業と比べても特別高いわけではなく、むしろ低いと感じる人もいると思います。
一方で、大きな特徴は給与が急激に下がることがなく、毎年少しずつ昇給していくことです。成果によって大きく年収が変わる仕事ではありませんが、その分「将来の収入をある程度イメージできる」という安心感がありました。
10年後・20年後の自分の給与水準がおおよそ予測できるというのは、家族を持つ身としてはかなりありがたい話でした。住宅購入や教育費などの長期計画を立てやすい、という意味でも大きなメリットだと感じていました。
ボーナスは家計を支える大きな存在だった
市役所職員として働いていた頃、賞与(ボーナス)は家計にとって大きな存在でした。
支給時期が比較的安定しているため、それに合わせてある程度の計画が立てられます。「このタイミングで大きな買い物をしよう」「ここで繰り上げ返済しよう」という見通しが持てることは、生活の設計において非常に助かりました。
もちろん、景気や人事院勧告などの影響を受けて支給月数が変わることはあります。それでも民間企業と比べると大きく変動しにくい点は、公務員の魅力の一つだと思います。
福利厚生はやはり充実していた
実際に働いて感じた一番のメリットは、福利厚生の手厚さでした。
各種休暇制度(年次有給休暇・特別休暇など)・育児や介護に関する制度・健康診断・共済制度・各種手当——安心して長く働ける環境が整っていました。
特に育児関連の制度は充実していて、子どもが産まれたときや、体調を崩したときなどに使いやすい環境でした。「制度はあるけど使いにくい」という職場もありますが、自分が働いていた環境では比較的取りやすかった印象があります。
家庭を持つようになると、この安心感は想像以上に大きいと感じました。「いざというときに守られている」という感覚は、働く上での精神的な支えになっていたと思います。
「安定」という価値は数字以上に大きい
年収だけを見ると、民間企業の方が高いケースもたくさんあります。
一方で、市役所職員には「仕事を失うリスクが比較的小さい」という安心感があります。毎月決まった日に給与が支給される。急激に収入が減る心配が少ない。この精神的な安心感は、数字では表せない魅力だと思います。
フリーランスになった今、この「安定」のありがたさを改めて感じています。フリーランスは仕事がなければ収入はゼロで、来月どれくらい稼げるかは自分次第です。公務員時代には当たり前だと思っていた「月末に必ず給料が入ってくる」という事実が、いかに大きな安心だったかを、手放してから初めて実感しました。
一方で感じていたこと
ただ、働いていて引っかかるものがなかったわけではありません。
頑張ったからといって、すぐに給与へ反映されるわけではありません。大きな成果を出しても、年収が急激に上がることは基本的にありません。「成果を出した分だけ評価される」という感覚を求める人には、物足りなさを感じやすい仕組みだと思います。
自分自身は、プログラミングを学ぶようになってから「もっと自分の成長が収入に直結する環境で挑戦してみたい」という気持ちが生まれました。これは公務員の制度が悪いわけではなく、自分の価値観が変わっていったということです。
フリーランスになって初めてわかったこと
現在はフリーランスエンジニアとして働いています。
収入は仕事量とスキルによって変わります。仕事がなければ収入はゼロですし、会社員のような福利厚生もありません。健康保険は国民健康保険に切り替わり、年金は国民年金になります。確定申告も自分でやります。
公務員時代には考えなくて良かったことが、フリーランスになると全部自分の問題になります。この現実を身をもって経験してから、公務員の福利厚生のありがたさを改めて感じました。
その代わり、自分の努力やスキル次第で収入を伸ばせる可能性があります。市役所職員とフリーランスは、働き方そのものがまったく違います。どちらが良いかではなく、自分に合うかどうかが大切だと感じています。
市役所職員はこんな人に向いている
実際に働いて感じた、向いている人の特徴をまとめると以下のとおりです。
向いていると思う人
- 安定した収入と将来設計を重視したい人
- 福利厚生の充実した環境で長く働きたい人
- 地域に貢献する仕事にやりがいを感じる人
- 家族の生活を安定させることを優先したい人
物足りなさを感じやすい人
- 成果に応じて収入を大きく伸ばしたい人
- 新しいことへの挑戦を繰り返したい人
- 自分のスキルを市場で試してみたい人
自分自身は後者に当てはまっていたと思います。ただ、それはフリーランスになってから気づいたことで、公務員として働いていた期間も自分にとって大切な時間でした。
まとめ
市役所職員の年収は、決して「高収入」というわけではありません。
しかし、毎年安定して昇給すること・ボーナスが比較的安定していること・福利厚生が充実していること・将来設計がしやすいことなど、お金だけでは測れない魅力があります。
フリーランスになった今だからこそ、その価値がよりはっきりとわかります。
大切なのは「年収が高い仕事」を選ぶことではなく、「自分が納得できる働き方」を選ぶことだと今は感じています。この記事が、進路を考えるための一つの判断材料になれば嬉しいです。