未経験からフリーランスエンジニアになって感じた現実

2026.06.21
2026.06.21
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未経験からフリーランスエンジニアになって感じた現実

「場所を選ばず、好きな時間に働ける」——そんなイメージを持ってフリーランスエンジニアを目指した結果、現実はどうだったか。公務員9年から転身した立場から、良いことも大変なことも正直に書きます。

はじめに

プログラミングを学び始めた頃、フリーランスエンジニアという働き方に強く憧れていました。

場所を選ばずに働ける。自分のスキルで収入を得られる。時間の使い方を自分で決められる——そういうイメージが頭の中にありました。

公務員として9年間、毎朝決まった時間に出勤し、決まった場所で仕事をする日々を送ってきた自分にとって、フリーランスという働き方はある種の「自由の象徴」に見えていました。

スクールに通い、ポートフォリオを作り、案件を獲得し、実際にフリーランスエンジニアとして活動を始めた今——そのイメージは正しかった部分もあるし、甘かった部分もあります。この記事では、どちらも正直に書きます。


自由な働き方は本当だった

最初に感じたのは、「自由」は本当に存在する、ということでした。

通勤がない。満員電車がない。「9時から17時まで席にいること」が前提ではない——公務員時代の働き方と比べると、毎日の生活が根本的に変わりました。

早朝に集中して仕事を終わらせることもできるし、子どもを保育園に送り届けてからカフェで作業することもできる。昼間に買い物をして、夕方に残りの作業をすることも可能です。

「時間の使い方を自分で決める」という感覚は、公務員時代には存在しなかったものです。この自由さは、日々の生活の質を確実に変えました。

ただし、ひとつ大切なことを書いておきます。この自由は最初から手に入れたものではありませんでした。公務員生活を手放し、スクールに投資し、何十回も提案を送り続け、断られ続けた先にある自由です。努力なしに手に入る自由ではありませんでした。


自由には責任が全部ついてくる

自由の裏側に気づくのに、時間はかかりませんでした。

自分で全部やらなければならない。

案件を探すことも仕事。提案文を考えることも仕事。クライアントとの面談準備も仕事。見積もりを出すことも仕事。請求書を作ることも仕事。そして、コードを書くことも仕事——。

会社員であれば、仕事を割り振ってもらえる。営業が案件を取ってきてくれる。経理が請求を処理してくれる。こうした「誰かがやってくれること」が全てなくなり、自分で担う範囲がそのまま仕事の全体になります。

「フリーランスになったら、コードを書く時間が増える」と思っていましたが、現実にはコードを書く以外の作業が想像以上に多くありました。


一番大変だったのは案件獲得

技術学習よりも案件獲得の方がずっと難しかったというのが正直な感想です。

学習は努力した分だけ前に進みます。昨日わからなかったことが今日わかる。手応えが見えやすい。でも案件獲得は違います。

提案を送っても返信が来ない。面談まで進まない。「実績が少ないので今回は見送ります」という言葉が繰り返される。何が悪いのかが分かりにくい中で、改善を続けながら諦めずに動き続けることが求められます。

SNSで「未経験から3ヶ月で案件獲得!月収○○万円!」という投稿を見かけます。そういう事例は実際に存在するし、否定したいわけではありません。ただその投稿の裏に、どれだけの提案と断られた経験があったかは見えません。「うまくいった後の話」だけを見ていると、現実との差に驚くことになります。


収入の不安は正直ある

公務員時代、給料は毎月決まった日に振り込まれていました。ボーナスも年2回、確実に支給されていました。フリーランスになってその当たり前が消えました。

「今月の案件がなければ収入がゼロになる可能性がある」という状態を、初めて経験しました。公務員時代には存在しなかった種類の不安です。

「公務員を辞めたのは正しかったのか」と問われたら、今でも「正しかった」と答えます。ただ「安定という意味では公務員が圧倒的に有利だった」という事実も、フリーランスになってから改めて実感しています。

フリーランスの収入の不安に対処するために意識しているのは、「複数の案件を並行して持つ」「常に次の案件候補を用意しておく」「収入が安定している時期に少し多めに蓄えておく」といったことです。完全に解消できる不安ではありませんが、対処する習慣は身につきました。


学習は終わらないと知った

案件を獲得できたら、学習は終わり——そう思っていました。

現実は全く逆でした。案件を始めてからの方が、学習の必要性をより強く感じます。

クライアントによって使う技術が違う。Laravelの案件の次にVue.jsが必要になる。テストコードの書き方を求められる。インフラの基礎知識が必要になる——案件を通じて「自分に足りないもの」が次々と明らかになります。

エンジニアとして働くということは、「一生学び続けることを選ぶ」ということなのかもしれないと思っています。ただ、学習が苦痛かというと、そうでもない。新しいことを学んで実務に活かせる感覚は、仕事の醍醐味のひとつになりました。


公務員時代との比較で感じること

フリーランスになって1年近く経った今、公務員時代と比べて明確に変わったことを整理します。

良くなったこと 通勤時間がゼロになりました。往復2時間かかっていた通勤がなくなり、その時間を学習・仕事・家族との時間に使えています。仕事のペースを自分でコントロールできるようになり、「今日は集中できる状態だからここまでやる」という判断ができます。仕事の成果が直接自分への評価・報酬に繋がる実感があります。

失ったもの 毎月確実な給与がなくなりました。ボーナスもない。有給休暇もない。社会保険は自分で国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。病気や怪我で仕事ができなくなったとき、収入が止まるリスクも自分が負います。

公務員時代に当たり前だった「組織が守ってくれる安心感」が消えた代わりに、「自分で選択する自由」が生まれました。どちらが良いかは価値観次第ですが、自分には今の方が合っていると感じています。


確定申告という新しい壁

フリーランスになって初めて直面した実務的な課題のひとつが、確定申告でした。

公務員時代は年末調整だけで完結していたので、確定申告の経験がゼロでした。「経費とは何か」「青色申告と白色申告の違いは何か」「領収書はどこまで保管するか」——こういった知識を一から身につける必要がありました。

最初の確定申告は、freeeというクラウド会計ソフトを使ってなんとか乗り越えました。ただ「これで合っているのか」という不安は拭えず、次の年は税理士への相談も検討しています。

フリーランスになる前に、確定申告の基礎知識だけでも学んでおけば良かったと思っています。技術的なスキルと同じくらい、お金の知識は重要でした。


AI時代のエンジニアとして感じること

Claude CodeやChatGPTなどAIツールの進化が著しい今、「エンジニアは不要になるのでは」という話を聞くことが増えました。

実際に使ってみると感じるのは、AIを使いこなすためにも基礎知識が必要だということです。

AIが提示したコードが正しいかどうか判断するのは人間です。「この設計でいいのか」「このコードにセキュリティ上の問題はないか」「クライアントの要件と合っているか」——こういった判断を下せるのは、基礎を理解しているエンジニアだけです。

日々の作業の中でも、AIに「この機能の実装方針を考えてほしい」と聞くと、複数のアプローチを提示してくれます。それを評価して選択するのは自分です。基礎がないと、AIの出力を評価することもできません。

「AIと競争する」のではなく「AIを使って自分の生産性を上げる」という姿勢が今のエンジニアに求められていると感じています。


未経験からでもなれたということ

この記事を読んでいる人の中には、「本当に未経験からフリーランスになれるのか」という疑問を持っている人もいるかもしれません。

自分の答えは「なれる。ただし簡単ではない」です。

HTMLも知らない状態からスタートして、スクールに通い、ポートフォリオを作り、何十回も提案して断られ続け、少しずつ実績を積み上げた先に今があります。特別な才能があったわけではありません。続けることをやめなかっただけです。

ただ「続けることをやめない」というのは、言葉より難しいです。収入への不安、技術力への不安、「自分には向いていないのでは」という疑念——これらが定期的に押し寄せてきます。それでも動き続けた人だけが、フリーランスという選択肢を現実にできると感じています。


それでも挑戦して良かった

大変なことを並べてきましたが、挑戦して良かったと心から思っています。

「このままでいいのか」という違和感を抱えながら公務員として働いていた頃と比べて、今は「自分で選んだ道を進んでいる」という感覚があります。

公務員を辞めるとき、「10年後にどちらの後悔が大きいか」という問いで決断しました。その問いへの答えが今も変わっていないことが、挑戦して良かったと思える一番の理由です。


まとめ

未経験からフリーランスエンジニアになって感じた現実は、決して楽な世界ではありませんでした。

自由な働き方は確かに存在します。でもその自由は、案件獲得の努力・収入の不安・継続的な学習という責任とセットです。確定申告や保険など、会社員時代に組織がやってくれていたことも自分でやる必要があります。

それでも「挑戦して良かった」と言えるのは、自分で選んだ道を進んでいる感覚が、今の自分を支えているからだと思っています。

もしフリーランスエンジニアという働き方を目指しているなら、「大変な部分も含めて知った上で選ぶ」ことをおすすめします。現実を知った上での選択の方が、壁にぶつかったときに踏ん張れると感じています。


フリーランスエンジニアを目指す人へ、最後に伝えたいこと

この記事を読んでいる人の中には「自分も公務員からエンジニアに転身したい」「未経験からでも本当になれるのか」と思っている人もいるかもしれません。

結論として、なれます。ただし、道のりは一直線ではありません。

自分のケースでは、HTMLも知らない状態からスタートして、スクールに通い、ポートフォリオを何度も作り直し、クラウドソーシングで何十回も断られ、少しずつ実績を積み上げた先にフリーランスエンジニアという立場があります。「近道」はありませんでしたが、「続けた人だけが辿り着ける場所」というのは確実に存在します。

公務員として9年間働いてきた安定を手放すことへの恐怖は、今でもよく覚えています。それでも「このままでいい」と思えなかった自分が、転身を選びました。

その選択を後悔していません。

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