プログラミングスクールに100万円近く払った理由

2026.06.21
2026.06.21
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プログラミングスクールに100万円近く払った理由

「独学で十分じゃないか」「騙されているだけじゃないか」——申し込む直前まで悩み続けた100万円近い投資。公務員を辞めてエンジニアを目指した自分が、なぜその決断をしたのかを正直に書きます。

はじめに

プログラミングスクールに入学を決めたとき、最も大きな壁は「費用」でした。

公務員を退職した直後という、収入が不安定なタイミングで「100万円近い金額を教育に投資する」という選択肢を前にして、自分はかなり長い時間悩みました。無料相談会に参加して金額を提示されたとき、正直なところ「やっぱり独学でいこう」と思い直したほどです。

それでも最終的に申し込みボタンを押したのには、理由がありました。

この記事では、当時の思考過程をできるだけ正直に書いていきます。後悔がないとは言い切れないし、「スクールに入れば万事解決」だと今も思っていません。それでも、あの決断について書く価値はあると思っています。同じように迷っている人の参考になれば嬉しいです。


まず独学から始めた

スクールの話をする前に、独学の話をしなければなりません。

プログラミングに興味を持ってから最初にやったのは、YouTubeの入門動画を探すことでした。「HTML 入門」「CSS 初心者」といったキーワードで動画を探し、ブラウザの画面にコードを打ち込んでいました。まず無料で試すのが自分にとって自然な順序でした。

Progateは、当時の自分にとって最も使いやすいプラットフォームでした。手順通りに進めれば何かが動く、その体験が「自分にもできるかもしれない」という感覚を作ってくれました。HTMLタグ、CSSのスタイリング、Pythonの基礎——いくつかのコースを終えたとき、「学習が進んでいる」と感じていました。

独学3ヶ月ほどで、簡単な静的ページは自分で作れるようになっていました。友人に見せると「すごい」と言ってもらえるくらいのものは作れた。しかしその先が、どうしても見えませんでした。

「HTML と CSS でページが作れるようになった。次は何をすればいいのか?」

この問いに答えてくれるものが、独学の環境にはありませんでした。


独学で感じた「見えない壁」

独学を続ける中で、少しずつ違和感が積み重なっていきました。

教材通りには動く。でも、「自分でゼロから何かを作ろう」とすると途端に手が止まる。バックエンドとの連携ってどうやるの?データベースってどう使うの?フレームワークって何から始めればいいの?——そういった疑問が出てきたとき、次に何を調べればいいかすら分からない状態になりました。

当時、Googleで「プログラミング 次のステップ」と検索すると、「Qiitaの記事」「ロードマップ」「Twitterのおすすめ」がバラバラに出てきます。どれを信じればいいのか分からず、情報を集めるだけで疲弊していました。

エラーが出ると、さらにきつかったです。「なぜこのエラーが出ているのか」「どのキーワードで検索すればいいのか」すら分からない状態で、ひたすらGoogleとStackOverflowを彷徨うことになります。1時間、2時間と時間が過ぎても原因が分からず、学習のモチベーションが急速に下がっていきました。

独学で一番しんどかったのは、「今の自分は正しい方向に進んでいるのかどうか、判断できない」という状態でした。努力していることは間違いないのに、その努力が正しいベクトルに向いているかが確認できない。誰にも聞けない孤独感が、じわじわと積み重なっていきました。

今振り返ると、「プログラミングが難しい」のではなく「一人で全てを判断しなければならない環境が、自分には合っていなかった」のだと思います。ただ当時は、それすら区別がつかず、「もしかして自分には向いていないのでは」という気持ちになっていました。


スクール検討のきっかけ

転機は、知人のエンジニアとの会話でした。

その人は、自走できるエンジニアとして複数の会社で経験を積んだ後にフリーランスに転身していた人物でした。「スクールってどう思う?」と聞いてみたのは、半ば冗談のつもりでした。

返ってきた言葉は意外なものでした。

「独学で基礎から全部やろうとすると非効率になる部分がある。整備されたカリキュラムと、質問できる環境があれば、同じ時間でかなり遠くまで行ける。独学にこだわる理由がないなら、環境を買う選択肢はありだよ」

スクールの存在は知っていました。でも「高い」「自力でなんとかなる」「騙されているだけじゃないか」という思い込みで、真剣に検討したことがありませんでした。ただこの会話以降、「環境に投資する」という発想が少しずつ自分の中で育ち始めました。


複数のスクールを比較した

本格的にスクールを検討し始めると、選択肢の多さに驚きました。

金額、学習期間、サポート体制、転職支援の有無、フリーランス向けか会社員向けか——スクールによってコンセプトがまったく異なります。無料体験やカウンセリングを複数のスクールで受けました。まず自分が「どういうエンジニアになりたいのか」を整理することが必要でした。

当時の自分が描いていたのは「フリーランスエンジニアとして、場所に縛られずに働く」という姿でした。公務員として9年間、毎朝決まった時間に出勤する生活を送ってきた中で、もっと柔軟な働き方を求めていました。家族と過ごす時間を増やしたい、という気持ちも強くありました。

この目標を軸に絞り込んでいくと、「Web系フリーランスに特化したカリキュラム」「現役エンジニアによるメンタリング」という点でCOACHTECHが候補として強く残りました。転職支援メインのスクールとは方向性が異なり、自分の目指す姿に一番近かったです。


100万円という金額に向き合った3週間

無料相談会に参加して、実際の費用を提示されたとき、正直に言うと引きました。

「やっぱり独学でいこう」という気持ちが再燃したほどです。その日は結論を出さずに帰りました。

ただ帰宅後も、頭から「スクール」という選択肢が消えませんでした。3週間ほど、ほぼ毎日このことを考えていました。Excelを開いて「独学で進んだ場合のシナリオ」「スクールに入った場合のシナリオ」を書き出したこともあります。

そして自分の思考がある方向に向かっていったのを覚えています。

「これはお金を払うかどうかの判断ではなく、時間を買うかどうかの判断だ」

独学で2〜3年遠回りするか、スクールの環境を使って1年で進むか。この問いで考えたとき、金額だけで判断することの限界が見えました。

公務員を退職してキャリア転換を目指している自分にとって、時間のロスは致命的でした。お金は後から稼ぎ直せますが、30代のキャリア転換に費やせる時間は有限です。「時間を節約することにいくらの価値があるか」という問いに変換すると、100万円の意味が変わってきました。

さらにもう一つの視点がありました。公務員時代の退職金の一部をまだ手元に持っていたこと。「このお金を何のために使うか」という問いに対して、「自分のキャリア転換への投資」という答えは、間違っていないと思えました。


申し込みボタンを押す直前

それでも、申し込みボタンを押すまでにはまだ時間がかかりました。

「失敗したときの100万円の損失」という最悪シナリオが頭から離れませんでした。家族がいる状況での大きな投資は、自分一人の決断ではないとも感じていました。妻に相談したとき「あなたが信じてやるなら、やってみたら」と言ってくれた言葉は、大きな支えになりました。

最終的な背中を押したのは、公務員退職を決めたときと同じ思考でした。

「10年後に振り返ったとき、行動した後悔と行動しなかった後悔、どちらが大きいか」

行動しないまま時間が過ぎる方が、自分には耐えられないと判断しました。申し込みボタンを押したのは、子どもが寝静まった深夜でした。


入学前に抱いていた期待と、現実のギャップ

率直に言うと、入学前の期待は高すぎました。

「スクールに入れば案件が取れる」「卒業すれば転職できる」「環境があれば学習がスムーズになる」——そういうイメージがどこかにありました。成功事例をいくつも見ていたので、「自分も同じようになれる」と無意識に思っていました。

現実は違いました。

入学したからといって、学習が楽になるわけではありません。カリキュラムをこなすのは自分です。エラーと向き合うのも自分です。課題が詰まったとき、質問はできますが、最終的に手を動かして乗り越えるのは自分自身でした。入学後最初の1ヶ月は、「こんなはずじゃなかった」という気持ちと格闘していました。

スクールが提供してくれるのは「解決してくれる場所」ではなく「解決するための環境」でした。この違いは、入学後しばらく経ってから初めて実感しました。質問できる安心感はある。でも答えは自分で掴まなければならない。その本質を理解してから、学習への向き合い方が変わりました。


それでも後悔していない理由

100万円という金額の重さは、今でも否定しません。

ただ、もしスクールに入っていなければ——独学での停滞が続き、「自分には向いていないのかもしれない」という気持ちのまま諦めていた可能性は高かったと思っています。

スクールで得たものは、プログラミングの技術だけではありませんでした。「詰まったときに質問できる環境がある」という安心感。同じ目標に向かって学ぶ仲間がいるという事実。「自分はエンジニアを目指す人間だ」というアイデンティティの確立。これらが、学習を続けるための精神的な支えになりました。

独学では得られなかった「続けられる環境」に投資したことは、間違いではなかったと今でも思っています。ただし「入学すれば成功する」という期待をそのまま持ち込んでいたら、もっと早くから自分で動けていたかもしれません。期待値の調整が、スクール活用の最大のポイントだったと振り返って思います。


これからスクールを検討している人へ

この記事を読んでいる人に同じような迷いがあるなら、いくつか伝えたいことがあります。

まず「独学でどこまで進んだか」を確認してください。完全なゼロからスクールに入るより、独学でつまずいた経験があった方がスクールの価値を最大限に活かせます。「何がわからないのか」がある程度分かった状態の方が、質問の質も上がります。

次に「スクールに何を求めているか」を明確にしてください。技術習得なのか、転職支援なのか、フリーランス向けのカリキュラムなのか。目的によってスクールの選び方も変わります。

最後に「入学後に自分が動く覚悟があるか」を問い直してください。スクールはあくまで環境です。結果を出すのは自分です。この前提を持った上で入学できれば、100万円という投資は意味あるものになると思います。


まとめ

プログラミングスクールへの100万円近い投資は、簡単に決断できるものではありませんでした。

金銭的な不安、失敗のリスク、「独学で十分では」という迷い——全てが存在した上での決断でした。

「時間を買う」という視点で捉え直したことが、最終的な決め手になりました。ただし「スクールに入れば全部解決」という期待は甘かったです。環境は整えてもらえますが、実際に学ぶのは自分です。

後悔しているかと聞かれたら、していません。ただ、もう一度選び直すとしたら——同じ選択をすると思います。

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